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n8n から Dify へ移行してやっぱり n8n へ戻った話

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皆さん、お久しぶりです。
今回は久しぶりに技術系の記事となります。

皆さんは n8nDify というツールをご存知でしょうか?

  • n8n: あらゆるアプリを連携させて複雑な自動化の仕組みを作る、自由度の高いワークフロー自動化ツール。
  • Dify: 生成AIを活用したアプリケーションを、誰でも簡単に開発・運用できるAIプラットフォーム。

私は以前から n8n を愛用し、様々な自動化ワークフローを構築してきました。
しかし、最近話題の Dify にも強い興味を抱き、試しに環境を Dify へと移行してみたのです。

ですが、実際に使ってみると、やはり n8n の方が自身のニーズに合致していることに気づき、
最終的には n8n へと”出戻り”することになりました。
本日は、その経緯と、なぜ私が n8n に戻ることを選んだのか、その理由について深掘りしていきたいと思います。

そもそもなにがしたかったのか

私が自動化ツールに求めていたのは、主に以下の2点でした。
どちらも、日々発生する業務フローをAIの力でスマートにしたいという、エンジニアなら誰しもが抱く願いかもしれません。

  1. AIによる文章の添削
    GitHubでプルリクエスト(PR)を作成した際に、自動で内容をレビュー・添削してくれる仕組みを求めていました。
    ヒューマンエラーを減らし、コードレビューの質を高めるための試みです。
  2. AIによるSNSの自動投稿
    本ブログ(Astro構成)の記事を更新した際、RSSを検知してSNS向けに要約・投稿してくれる仕組みです。
    新しい記事の告知を漏れなく、かつ魅力的に行いたいという狙いがありました。

つまり、「対話型AI」そのものを作りたいわけではなく、
既存の運用フローの中にシームレスに組み込める「実行エンジン」が欲しかったのです。
地味ながらも強力な縁の下の力持ち、といった役割ですね。

n8n から Dify へ移行した理由

では、なぜ一度は Dify へと気持ちが傾いたのでしょうか。
それには、いくつかの魅力的な理由がありました。

1. Dify に関する記事やトレンドが圧倒的に多かった

書店やSNSを賑わせていたのは、Dify に関する情報でした。
まるで、どこを見てもDify、Dify、Dify……といった具合に。

企業の導入事例やチュートリアル記事も豊富で、コミュニティも活発そうに見えました。
特に印象的だったのは、書店で「日経ソフトウエア 2025年 7 月号」を手に取ったときのこと。
まさか専門誌で特集が組まれているとは、と驚きつつ、俄然興味が湧いたものです。

amzn.to
amzn.to

「もしかして n8n よりも Dify のほうが、これからの時代のスタンダードで使いやすいのでは?」
そう感じたのが、最初の大きなきっかけでした。

2. UI が日本語対応されている

何を隠そう、私は生粋の日本人。
英語には少々苦手意識がありまして……。
簡単な英語なら読めますが、専門用語が並ぶと途端に理解に時間がかかってしまうのが正直なところです。

Dify は UI が完全に日本語対応されており、
これはもう、神からの恵みかと思うほど操作が直感的に理解できそうだと感じました。

UI のデザインもシンプルで好印象です。

ワークフローの作成も日本語で説明があるため、迷うことが少ないのは非常に助かります。

一方 n8n もシンプルな UI ですが、基本は英語なので、
「このノードは何をするものだろう?」と、
一つ一つ調べる手間がかかるのが、ちょっとしたストレスでした。

やっぱり n8n に戻った理由

結論から申し上げましょう。
「Difyでのワークフロー作成がちょっと辛い。」
これに尽きます。
もう少し具体的な理由を深掘りしていきます。

1. 「イベント駆動(トリガー)」の自由度

n8n は Webhook や RSS、定期実行(Cron)といった、
「何かをきっかけにワークフローを動かす」ためのトリガーのバリエーションが非常に豊富です。
まるで、あらゆる入り口からワークフローの世界へ飛び込めるようです。

Dify でもバージョン1.10.0 から Webhook や定期実行トリガーなどが追加され、進化を続けています。

しかしながら、私のブログ更新をトリガーとするニーズにとって、
RSS トリガーがない ことは大きな障害となりました。
ブログ更新を自動で検知してSNS投稿をする、という肝心な部分が実現できないのです。

Dify では、この問題を回避するために、
自作の RSS トリガーをなんとか組み合わせて凌いでいました。

自作の RSS トリガーワークフロー

それに引き換え、n8n にはデフォルトで RSS トリガーが標準装備されています。
痒い所に手が届く、とはまさにこのこと。

しかも、公式で星の数ほど、様々なアプリのトリガーが用意されているのです。
その種類の多さには、ただただ圧倒されます。

n8n の トリガー一覧(概要)アプリの数がえげつない

Dify が「対話型AIを作る」ことに特化している以上、
イベント駆動のトリガーの種類が少ないのは、ある程度は仕方ないのかもしれません。
しかし、汎用的な自動化を求める私にとっては、大きな壁となりました。

2. 外部サービスとの連携の豊富さ

n8n は、デフォルトで数百種類ものアプリと連携できるノードが用意されており、
外部サービスとの連携が非常に簡単です。
もはや、「連携できないサービスはない」と言っても過言ではないほど、
あらゆるサービスと柔軟に連携できるのが n8n の圧倒的な強みです。

一方で Dify ですが、基本はマーケットプレイスから提供されているノードをインストールして使う形になります。

langgenius という方が提供しているノードは公式のものなので、安心して使えます。
※ 公式というのは、Difyの開発元であるLangGenius社が提供しているノードという意味です。連携元のサービスの公式ノードという意味ではありません。

しかし、それ以外のノードは、個人が作成し公開したものになります。
個人的な感覚ですが、APIキーという極めて重要な情報を、
個人の作成したノードに預けるのは、やはりセキュリティ面で懸念を感じてしまいます。
技術への信頼性や安心感は、ツール選びにおいて非常に重要です。

※ 2026年2月現在を見ると、公式がゴリゴリにノードを増やしているではありませんか!
私が移管を決めた2025年年末には、X(旧Twitter)ノードすらなかったのに……。これは喜ばしい進歩ですね。
Difyの進化の速さには驚かされます。

3. 出力のモックができる

n8n だと、各ノードの出力を簡単にモック(擬似データ)化できます。
これがあるのとないのとでは、開発の効率が雲泥の差となります。
まさに、開発者の強い味方といった機能です。

例えば、AI に株の買い時かどうかを判断させるワークフローを構築するとしましょう。
判断してほしい銘柄をどこからか取得している際、その取得元が外部APIだったとします。
開発中に何度もAPIを叩くのは効率が悪いですし、APIの利用制限に引っかかる可能性も大いにあります。

n8n では、ノードの出力を簡単にモック化できるため、
開発中は常に同じデータを使ってワークフロー全体の動作確認ができます。
しかも、モックデータの編集まで可能という至れり尽くせりっぷり。

これでモックできるモックするとノードが紫になる

Dify にはこの機能がないため、開発中に外部APIを何度も叩く必要があったり、
Python・JavaScriptコードノードで擬似データを作成する手間が発生します。
この差は、特に複雑なワークフローを構築する際に、
開発者の生産性に直結する大きなポイントだと感じました。

どのような人にどちらが向いているか

今回の経験を経て感じた、それぞれのツールの向き不向きをまとめます。
※あくまで私個人の見解であり、環境や用途によって最適な選択は異なります。

ツール向いている人・用途
Dify自社のドキュメントを読み込ませたAI(RAG)を作りたい方。 チャットボットを素早く開発・運用したい方。
n8n既存の業務フロー(GitHub/Slack/Google等)を自動化したい、 裏側で勝手に動く仕組みを作りたいエンジニア気質な方。 あらゆるサービスを連携させ、自由度の高いワークフローを構築したい方。

最近のそれぞれのアップデートを見ると、Dify と n8n の機能的な境界線が少しずつ曖昧になってきている印象もあります。
しかし、現時点(2026/02/12)では、上記のような明確な住み分けがされていると感じました。
適材適所、という言葉がしっくりくるでしょう。

まとめ

今回は、n8n から Dify へ一度移行してみたものの、
最終的には n8n に戻るという、一見すると回り道のような経緯と、その理由について詳細に解説しました。

私のように「既存の業務フローを自動化したい」「多様なサービスを連携させたい」というニーズがある場合、
現時点では n8n の方がより適していると強く感じました。
その自由度と拡張性は、まさにエンジニアの心をくすぐるものです。

一方で、Dify は対話型AIを手軽に作成・運用できる点で非常に魅力的であり、
AIアプリケーション開発の敷居を大きく下げてくれる素晴らしいツールであることに間違いありません。

今後も両ツールの進化を注視しつつ、自分のニーズに最適なツールを選び、
よりスマートな開発と自動化を追求していきたいと思います。
もし、この記事が皆さんのツール選定の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。